届け愛の言葉をもっと

僕ならもうキミに決めたんだ これはきっと恋してる

#ラジオっていいね ~オートリバースと過ごした1週間~

2020年12月7日(月)、民放ラジオ99局とradikoで「青春ラジオ小説 オートリバース」の放送が始まった。これは、新しいラジオリスナーの獲得を目的として、一般社団法人日本民間放送連盟ラジオ委員会とradikoが共同で立ち上げたキャンペーン「TOMORROW PROJECT『ラジオっていいね』」の企画で放送されたものだ。HiHi Jetsは「ラジオっていいね」のアンバサダーに就任。「オートリバース」のテーマソングを担当するとともに、メンバーの猪狩蒼弥くん・作間龍斗くんは、メインキャストとして出演した。

 

radioiine.com

radiko.jp

 

最初、このキャンペーンの存在を知ったとき、正直わたしはそこまで積極的に聴くモチベーションはなかった。これはわたしの主観だが、なんとなく、テレビよりもラジオのコンテンツは存在が薄いように感じていて、好きなタレントが出演しているラジオも、何ヶ月か分を録音して一気に聴くことはあったが、毎日聴くとか週1回聴くといったような習慣はなかった。だから、「オートリバース」もひとつ録音していつか聴けばいいか、ぐらいに思っていた。12月7日、放送開始のその日までは。

 

結論から述べると、わたしは放送期間のこの2週間、「オートリバース」の世界にどっぷりとハマってしまった。そして猪狩くんと作間くんのことが、「オートリバース」を聴く前よりももっともっと好きになった。ラジオの魅力にとりつかれて、ほかのラジオもいろいろ聴くようになった。

 

まずは、オートリバースを放送で、radikoで、少しずつ聴いていた1週間について、日記形式でお届けしよう。

 

※この記事は「青春ラジオ小説 オートリバース」のネタバレを含みます。

 

 

**********

 

12/7(月) 1日目

仕事が忙しくて終電で帰宅したため、初放送をリアルタイムでは聴けなかった。職場から家まではドアtoドアで25分。帰りの電車で1話と2話、家に帰って洗いものと洗濯をしながらradiko特設サイトで5話まで聴いた。事前情報なしで聴いたので、小泉今日子という名前が出てきて、かなり昔のお話なんだなと思った。なぜかわからないけどどんどん引き込まれていくストーリー。視覚を使っていないのに、頭の中で情景が思い浮かぶ。ラジオドラマを聴いたのは数年ぶりだったから、それがなんだか新鮮で。想像力が鍛えられるし、どこかはかなくて切なげで、体のいい言葉でいうと「エモい」。なんだか、テレビドラマでは感じられない感覚のような気がして、絵がない方がいい、と思った。

それに、家事をしながら聴けるのがなんといっても魅力的で、まるで仕事終わりの深夜にハーゲンダッツを食べたような気分になれた。至福の時間だった。

 

12/8(火) 2日目

20時過ぎに退勤。東京ドームまで散歩をして帰った。歩きながら6話を聴く。そして、家に着いてからは半身浴をしながらTOKYO FMでAパターンを視聴。聴けば聴くほど引き込まれる。なんでだろう。

2日目の今日は、初日は少し感じていた猪狩くんと作間くんの配役逆な感じがするなぁという感情が消失。猪狩くんがこんなに優しい声を出せる人だなんて知らなかったな…作間くんがこんなに怖い声を出せる人だなんて知らなかったな…と、同じことをつぶやいている人がいたけどわたしもこの感情を覚えた。

1時間の方を聴いていた時はもはやこれが猪狩くんと作間くんだということを忘れていて、完全にお話に引き込まれていた。頭のなかで思い浮かぶ情景にいるのはやっぱり猪狩くんと作間くんなのに、なんかふたりとも別人みたいで。不思議だね。

個人的には1時間の方よりradiko特設サイトにあるもう少し描写が細かくてストーリーが濃い方が好み。6話をきいて、このセリフがすごく印象に残った。

ヒメとチョクが山手線をぐるぐるしながら話しているシーン。

ヒメ「わたしたちって今日子からいろんなものもらってんだよね。好きですって何にも考えずに叫べる相手がいるってすごくいいことじゃない?」

直「うん、そうかもしれない」

ヒメ「わたしたち、あの子に感謝しなきゃね」

直「してるよ、尽くしてる、みんな」

ヒメ「そうだね。でも、自分のためにそれやってるでしょ」

直「……うん」

ヒメ「アイドルってさ、勝手に尽くされてさ、大変な仕事だよね、私無理だなあ」

HiHi Jetsというグループでアイドルをしている男の子がこの会話に触れるの、しびれた。「勝手に尽くされている」側のふたりは、ヒメのこのセリフを聞いて何を思うんだろう。アイドルのファンをしているわたしとしては、自分の心境と重なるところがすごくあって苦しいセリフだった。

わたしは自分のためにアイドルを応援している、と思う節がたくさんある。自分が明日もがんばるために、自分が自分の心を満たすため、幸せにするために、好きな人に好きだと言って、顔が良いとかかっこいいとかいう。

相手のためじゃなくて、自分のため。わたしはHiHi Jetsのなかで髙橋優斗くんのファンをしているけど、優斗くんのために、優斗くんに幸せになってもらうためになにかできているかといわれたら、好きだと叫ぶだけでなにもできていない。わたし、ちゃんと優斗くんのこと考えられているのかなあ。本当に優斗くんのために"尽くす"ということができているのかなあ。とまだまだ新規のファンながらに思った。応援させてもらうって、幸せなことなんだ。"応援"には愛がたくさん詰まっているけど、愛を受け取るのって結構しんどいこともある。勝手にHiHi Jetsに対してイメージとか理想像とかを抱いて、消費して、本当はどういう性格なのかとか仕事中に出している面だけじゃわかるはずもないのに、「全部が好き!」と気軽に言わせてもらっているわたしたちファン。感謝しなきゃな。HiHi Jetsには頭が上がらないよ。

今日子「それにさ、どうなったってやってきたことがなくなるわけじゃないからね」

1時間版の方では、今日子が高階に言ったこの言葉がすごく染みて。そうだといいな。そう思ってもらえるようなファンになりたいなと思った。ファンは無力だし本質的には好きなアイドルの心を支えてあげることとかできないけど、応援することで、ついていくことで、少しでも、"やってきたこと"を積み重ねていければ、喜んでもらえる愛を届けられればいいな、と思った。

引き込まれる。明日も7話を聞くのが楽しみだ。

 

12/9(水) 3日目

3日目。朝から準備をしながらCパターンを聴いた。

高階「俺死んじゃったけどさ、いつでもこうしてまた会えるから、別にいいよな」

チョク「うん」

高階「寂しくなったらいつでも思い出せよ」

チョク「お前もな」

この会話にチョクと高階の深い絆を感じてすごく心に沁みた。

夜は、会社帰り、ジムに向かう道を歩きながら7話を聴いた。1時間の方では省かれていたチョクとヒメの関係が深くなっていく過程が垣間見える。チョクとヒメが海に行くところがすごく好き。

ヒメ「まだ帰りたくないなあ」

チョク「うん。大丈夫だよ」

ヒメ「どういう意味の大丈夫?」

チョク「まだ帰らないよ」

ヒメ「……ここ、海が近いんだよね。……ねえ、行ってみようよ、海」

この部分、チョクの「大丈夫だよ」があるのとないのとでは、全然違う会話な気がしている。ヒメが三谷のことを語るところも苦しい。ヒメは本当に三谷のこと好きだったんだろうな。

ヒメ「三谷ってさ、ほかにも女いたみたい。知ってる? 別にいいんだけどね、相手は大人だからさ、あまり本気にならないようにしようって思ってたんだけどね」

チョク「でも、ブスだよ」

ヒメ「え?」

チョク「全然ブスだよ」

ヒメ「知ってんの?」

チョク「知らないけど、ブスだよ」

ヒメ「なにそれ」

チョク「だから、そんなん気にしなくていい」

ヒメ「……わたし、チョクみたいなのと付き合えばよかったな」

チョク「みたいなのって」

ヒメ「チョクと付き合えばよかったな」

チョク「なんで過去形?」

ヒメ「…...親衛隊って前の方が好きだったな」

チョク「うん」

ヒメ「どうしてこうなっちゃったんだろ」

チョク「うん」

ヒメ「…...みんな怖いよね」

キスはしないって言ったのに、海でキスしてしまうチョクとヒメ。

ヒメ「ねえ、グリーンフラッシュって知ってる?」

チョク「グリーンフラッシュ?」

ヒメ「太陽が水平線に沈む瞬間、緑色に光る時があるんだって。だから、グリーンフラッシュ

チョク「見たことあるの?」

ヒメ「ない。いろいろと条件が揃わないと見れないって言ってた。でも、それを知ってから、夕日が沈む時はいつも見ちゃう」

チョク「今日、それ見られる気がする」

可能性を感じているのは、チョクだけなのかもしれないなって。

ヒメ「…...キスしないって。もう一度」

チョク「...…」

ヒメ「三谷にバレたら半殺しだね」

チョク「半殺しじゃあすまないさ」

ヒメ「好きだよ」

チョク「……うん」

ヒメ「あ! 今緑に光った!」

チョク「うそ」

ヒメ「今この世界には私たち2人しかいないの。だから、2人がそうだって言えばそうなの。他人にとやかく言われる必要はないの。でしょ?」

チョク「じゃあ、光った」

ヒメ「じゃあはいらない」

チョク「光った」

ヒメ「それでよし」

ヒメの「好きだよ」が切なくて悲しい。たぶんヒメはチョクのこと好きじゃない。チョクのこと好きになれたらよかったなって思ってるだけだ。このくだりを聴いていたときは、心からそう思った。

ヒメとチョクの会話は刺さったり沁みたり、切なくなったり、いろんな感情をくれる会話が多くてとても好きだ。これから先、ふたりがどんな会話をするのかにももっと注目したい。早く8話が聴きたいな。

 

12/10(木) 4日目

朝からBパターンを聞きながら準備した。個人的にはA、B、CのなかでBパターンが一番好き。

高階「俺たち、親友だよな?」

チョク「なんだよ、突然」

高階「親友に親友って思われないと最悪じゃん」

チョク「親友だよ」

高階の方が「親友だよな?」と問いかけているのが意外で、新鮮だった。てっきり、こういうことを聞くならチョクからだと思っていたから。切なかった。少し道を踏み外してしまっただけで、高階は高階なりに、まっすぐに生きていて、チョクのこと大事に思ってたんだな。

夜は8話を聞いた。はじめてトンボの話が出てきた。

今日子 ―今夜の今日子の感想文。小さなトンボが広い海を渡るなんて、雄大なロマンがありますね。きっと私たちも、不安と希望の入り混じった人生の海を渡っていく、小さなトンボなんだと思います。一生懸命生きても、いいかげんに生きても、一生は一緒。どうせなら、楽しく生きていきましょうね。

チョク ―海を渡るトンボがいた。沖へ向かって、薄っぺらい羽根を一生懸命ばたつかせるトンボは、僕だった。トンボは自分が今、海を飛んでいることなんか知らない。この海を沖に向かって、その先に何があるかなんかしらない。きっと力尽きて、波に飲み込まれるなんて知らない。自分が、トンボと呼ばれていることだって、知らない。

これが何を指すのか、どういう気持ちを指すのか、聴き続けていたらわかるのかな。

 

チョクとヒメの電話でも、チョクが「会いたい」といったとき、ヒメが「うん」というところが切なかった。ヒメは「会いたい」とは言わなかった。親衛隊をやめようとするチョク。本当にヒメのことが好きなんだろうなと思った。

親衛隊をやめる、ということを高階に伝えたチョク。高階とチョクのその会話のところでは、頻繁に出てきていた鼻血に加えて、チョクが高階に首のあざを指摘するところがでてきて苦しい。

チョク「高階、ごめん。ヤキ入れるならさ、高階が入れてくれよ」

高階「やだよそんなの」

チョク「川西から聞いたんだろ」

高階「人を好きになるのは悪いことじゃない。仕方ないよな」

チョク ―高階の目は、オニヤンマと同じ、エメラルドグリーンだった。

これも高階は高階で、大切にしている「好き」があって、チョクのことを大事に思っていることがよくわかる会話だった。なぜチョクは高階をオニヤンマにたとえたんだろう。オニヤンマは日本最大のトンボ。この答えも聴いていたらわかるのかな、と考えた。

トンボの話が出てきたから、その日に聞いたドラゴンフライはより一層沁みた。「海を飛ぶ僕らトンボ それを海とも知らないで」「海の向こうへ行ければ僕らドラゴンフライ この街さえ出れれば僕らドラゴンフライ」「会いたい会いたい痛い この胸に空いた穴 会いたい会いたい痛い この傷がくれた夢」これはきっとチョクの気持ちで、高階の気持ちで、ヒメの気持ちで、今日子の気持ちなんだろうなと思う。

毎日毎日聴いているうちに、どんどんオートリバースの世界に引き込まれていく。初日は猪狩くんと作間くんだと思って聴いていたけど、頭では猪狩くんと作間くんだってわかってても、もうわたしはオートリバースで聴く二人の声を完全に「チョク」と「高階」としてとらえているな。

猪狩くんの優しい声色。作間くんのちょっとぶっきらぼうな声色。どちらもすごく好き。沁みる。このあとHi Tubeみたらなんかギャップにびっくりしちゃいそうだな。まあみるんだけど。オートリバース、こんなにハマると思っていなかった。すごく好きだ。

 

夜、原作本を読んだ。オニヤンマのことがわかった。オニヤンマの目は、生きてる時だけエメラルドグリーンで死んだらなぜか黒くなるらしい。エメラルドグリーンは魂の色かも。と高階は言った。

 

2日目に好きだと思ったヒメとチョクの、「好きです!ってなにも考えずに叫べる相手〜」の続きの会話も本にはあった。

「相手に好きになってもらいたいって思うのって疲れるもん」

小泉今日子に自分が好かれる必要はない。自分だけが好きならそれでいい。確かにそれは一方的でとても楽な関係だ。

沁みた。三谷のことで泣いて「大人のふりするの疲れちゃった」というヒメが切ない。

好きになってはいけないひとがいる。だから好きになってしまうバカがいる。もし今ヒメとどうにかなったら自分はもう親衛隊にはいられないだろう。そのぐらいはわかる。

チョクの気持ちも、小説の描写だとより切なくて苦しくなった。ラジオ放送では語られていない部分を深く知ることができるので、原作本もあわせて読むとより世界に浸れる。

 

ほかに印象に残ったのは、下記の3つの会話。 

「……あのさ」「なに?」「三谷さんと別れないの?」「別れてよ、じゃないの?」「……」「チョクのこと好きだよ」「なにそれ」「それじゃダメ?」「チョクのこと好きだよ。でもどうしたらいいかわかんない」

ヒメは正直にそれだけ言った。

「このままでいいよ」

直も正直にそれだけ言った。昼と夜のあいだのあの世のような時間だった。

「最近、本人元気ないような気がするんだけど」

田原のそのひとことから直は話題を小泉今日子に変えた。話をしているうちにアイドルのことをこんな風に真剣に語りあうのはずいぶん久しぶりで、大切なものを忘れていた気がした。

「俺たちってさ、なんか役にたったのかな」

直は、ヒメの言葉を思い出していた。

「僕たち、本人からいろんなものもらってばっかりですもんね。好きだっ!って何も考えずに叫んで、いろんなものぶつけちゃって。それを全部笑いながら受け止めてくれて」「感謝しなくちゃな」「感謝しなくちゃですね」

「人を好きになるのは、悪いことじゃないだろ」

高階の目を見た。エメラルドグリーンの瞳が直を見ている。

「好きになったのがたまたま好きになっちゃいけない人だったってだけだ。だから悪いとか言うな。堂々としてろよ、チョク」「堂々と?」「そうだ、堂々とだ。チョクはすぐ謝る。そのクセ直せ。お前は俺がいなくても生きていけんのか」

本を読んだら、ヒメはわたしの想像していた女の子とは少し違っていて、ちゃんとチョクのことが好きだったんだろうな、と思うようになった。ラジオ版ではあえてそこを描かないようにしていたのか、ヒメのチョクへの気持ちを原作と違うように描こうとしたのか、ただわたしがそうとらえただけなのか、真相はわからないけど、言葉の量や描写、話し手が違うだけで印象が違う会話がたくさんあって不思議だった。

 

12/11(金) 5日目

帰りの電車で9話を聞く。原作本を一通り読んでしまったから話が結構わかっていて、読むの全部聴き終わってからにすればよかったかなあと少し後悔した。でも、引き込まれているのも、沁みるのも、変わらない。

高階が入院してからのシーン。チョクとの何気ない会話が、「幹部になる」と暴れていた時の以前の高階のまんまで、わたしまで「高階が戻ってきた」と思ってしまった。ちょっと泣きそうになった。高階はこっちのほうがいい。チョクが川西に暴力をふるうところ、しんどかったなあ。チョクが人を殴ろうとするシーンはここが最初で最後。(消化器はあったけど)やっぱりチョクには似合わなくて、なんか苦しかった。

エロはイマジネーション。おニャンコはなんかちがう。今日子じゃなきゃ。普段アイドルを応援しているわたしにとって、共感できるセリフがたくさんあった。

猪狩くんと作間くん、もうわたしのなかですっかり、チョクと高階だな。HiHi Jetsのよいところは、誰も演技がジャニーズっぽくないところだと思っているけど、特に猪狩くん、声だけでこんなに上手く演じられる人だなんて知らなかった。作間くんの声も以前よりもっと聴き慣れてきてどんどん好きになる。オートリバースを聴いた後にHi TubeでEyes of the futureを聴くと、なんか変な感じがしたけど、以前よりも2人の歌声が好きだと思ったよ。

 

12/12(土) 6日目

第10話。小泉今日子のことを語る2人の心境が、自分がアイドルを応援していて思うことと重なった。

チョク「もう国民的だから」

高階「そうだよな。俺たちもう役目終わったってことかもな。もう新曲出せば必ず1位だもんな」

チョク「でも本人は変わんないよ。周りが勝手に変わってるだけさ」

高階「そうだよな」

アイドルはよく、どこに行ってもどんな活動をしていても、俺たちは変わってないって言ってくれる。でも、周りを取り巻く人たちが変わっていくから、本人たちも変わったように見えてしまって、それで離れていくファンもいる。それって、すごく悲しいことだ。本人は何も変わっていないのに。でも、わたしもそれと同じような理由でファンをやめてしまったアイドルがたしかにいるから、何も言えなくて。チョクの言葉がすごく胸に刺さった。

今日子に会ったらたぶん心配してくるからって、無理して車椅子を降りる高階。本当に小泉今日子が好きだったんだ、とこの時思った。

結局、今日子と高階は会話できないまま、高階は目を覚まさなくなってしまった。ヒメに小泉今日子を呼んでほしいと頼んで、高階に話しかけるチョク。

チョク「もし来たらさ、絶対目開けてくれよ。本人と会うとさ、病気とか治るんだぜ。女神なんだから。もし来たらさ、絶っっ対目開けてくれよ。目開けなかったら、ヤキ入れるからな」

チョクの高階への深い愛を感じた。それと同時に、アイドルという存在の大きさも。ドラゴンフライが今日も沁みる。

 

この日、初めて渋谷にポスターを見に行くことができた。

 

ラジオって、いいね。

この1週間、心からそう言いたくなるような気持ちになっている。作間くんと猪狩くんの声を毎日ずっと聴いているからか、単純接触効果を発揮しているのか、2人のこともずいぶん好きになったな。ありがとう。オートリバース。

 

12/13(日) 7日目

作者の方のインタビューを読んだ。

チョクと高階の配役、会う前は逆をイメージしていたとおっしゃっていて、HiHi Jetsのファンと考えが一緒だなと思った。

news.radiko.jp

「声だけで聴いてみると、作間くんの声はずっとブレない感じがあってそれが大人っぽい。猪狩くんの声は繊細な抑揚がずっとあってそれがあの役の繊細さに繋がりそうだと思った」とおっしゃっている作者。

2人にそれぞれ演じてもらったときは、猪狩くんの声がこもって聴こえて、そのこもりからチョクのような、気持ちが少し内側に向いている雰囲気が感じとれたらしい。猪狩くんの声のこもりについて、わたしが思っていたこと、作者の方はとっくに感じ取って綺麗に言葉にしていた。

映像だと逆の方が映えるかもって作者の方はいうけど、わたしはもう、映像でもこのままのふたりでみたいなってすっかり思うようになってしまった。

 

そのあと、radiko特設サイトで最終話を聴いた。小泉今日子と高階の会話がメイン。「どうなったってやってきたことがなくなるわけじゃないからね」という言葉にやっぱりすごく救われる。わたしも、アイドルのオタクだから。わたしはいつも好きなタレントにいろんなものをもらってばっかだって思ってるけど、少しでも何か力になれていたり、笑顔にさせられていたりするところがあるのかな。

高階が最後「ああ、やっぱり応援してきてよかった。なんだこの歌、なんで泣けんだ。」っていうところ、すごくよくて、切なくて、悲しかった。

高階のやりたいことが一気にばーーっと述べられて、苦しくて、悲しくて。そんな時も高階はチョクのことを思っていて。高階のなかはほんと、小泉今日子とチョクでいっぱいだったんだなと思った。

オートリバースでなんとなく興味を持って実際の小泉今日子の過去のインタビューとかいろいろ読んでみると、「なんてったってアイドル」を歌えるのは私だけだ思っていたってこととか、今日子隊にこの病気の方が本当にいらっしゃったこととか、生卵を投げつけられたこととか、物語のなかにでてきたことが事実としてたくさん出てきた。フィクションとリアルがうまく混ぜ込まれているんだなと思って、当時を知っている方にはより一層感じるものの多い作品なんだなと思った。

最後の最後で、オートリバースがなんで嫌なのかの真相も分かる。

チョク「たしかになんかやだな。オートリバースって。勝手にひっくり返ってさ。なんか世の中みたいだ。中学の次はガシャ、高校です。高校の次はガシャ、大学です。大学の次はガシャ、就職です。」

高階がいなくなったあとも世の中は勝手にガシャ、って動く。そう考えると、たしかになんか嫌だ。勝手に決められて、勝手に進んでいく。すべてのことを自分の意志で決められたらいいのに、どうにもならないことや変えられないことって世の中にはたくさんある。高階とチョクの苗字がガシャ、と変わったことも、親衛隊が暴走族にガシャ、と変わったことも、高階のエメラルド色の目がガシャ、黒色に変わったことも。当事者たちが望んだわけじゃない。でも、気づいたら勝手にそうなっていた。わたしたちはいつもそうやって、よくわからない世の中の流れに流されながら生きているのかもしれない。トンボみたいに。自分で決めているようで決めていないことって、きっとたくさんある。

 

最後の2人の言葉、radiko版。

高階「もう、泣くなよ、チョク。約束、だからな」

チョク「高階...また、」

途中で途切れてしまうので切なくて。ABCパターン全部聞いたけど、結局はこのradiko版の最後が一番好きかもしれない、と思った。

 

ドラゴンフライが今日も沁みる。今までで一番沁みる。

 

オートリバースという作品を通して、いろんなことを考えさせられた。アイドルを応援するということ。"好き"って何も考えずにぶつけられる相手がいるというありがたさ。感謝しなきゃいけないって気持ち。今を精一杯生きるということ。猪狩くんと作間くんのこと。HiHi Jetsというグループのこと。ドラゴンフライという曲が感じさせてくれること。ラジオだからこそ感じられる気持ち。ラジオっていいね、という気持ち。

1週間毎日毎日オートリバースを聴いて、猪狩くんと作間くんの声を聴いて、より一層2人のこともHiHi Jetsのことも好きになった気がする。

いろんなことを考えて、今を大事に生きようって思えた気がする。こんなにこの作品に夢中になるなんて、全然想像してなかった。

ドラゴンフライがより一層好きになったな。

わたしも優斗くんに好きをぶつけさせてもらってることに感謝して、髙橋優斗くんやHiHi Jetsに何かを還元できるファンになりたい。なんだかそう思った。ありがとう、オートリバース。

 

**********

 

1週間を終えて

これが、オートリバースがradikoで1話ずつ公開されていったときの1週間の日記。初日と最終日では、大きく熱量が変わっているのが我ながらわかる。

アイドルをしているふたりがアイドルのファンを演じるということの重み。アイドルの近くにいるファンだからこそ出てくるアイドルへの配慮の気持ちに気づかされたこと。猪狩くんと作間くんがチョクと高階として自分の中に入り込んでくる感覚。HiHi Jetsのバラエティやパフォーマンスで猪狩くんと作間くんを見たときの気持ちの変化。

この1週間でわたしが得たものはすごく大きい。

まず、これからHiHi Jetsを応援していくにあたって、「好き!」とこんなにも好きなだけ叫ばせてもらっていることをもっともっと感謝していこうという気持ちになった。加えて、微力ながらにも本人たちのためになることなら必ずしていこう、と思った。たとえば、「オートリバース」を繰り返し聞くとか、こうやってブログで発信するとか、グッズや写真を買うとか。

それから、HiHi Jetsの猪狩くん作間くんのことももっともっと注目して見ていこうと思った。リモラブで髙橋優斗くんに落ちたあの日から、優斗くんへの気持ちは爆発的に大きくなっていて優斗くんを見る時間もどんどん長くなっていったけど、これからはもっと猪狩くんや作間くんも見ていきたい。歌っているところも優斗くんばかり見ていたけど、猪狩くんと作間くんの声が好きになったから、ふたりの声を聞くのも楽しいと思うようになった。

あとは、"ラジオ"への興味がすごく強くなった。今週の月曜日、ニッポン放送で関西ジャニーズJr.のなにわ男子がオールナイトニッポンPremiumに出演したのだけど、いつもは聴かないのにそれもリアルタイムで聴いてしっかり感想をツイート。感想のメールも送った。radikoのタイムフリーでもたくさん聴いた。(わたしはなにわ男子のファンでもある)

やっぱり初日に気づいた、家事や散歩など"何かをしながら聴ける”ということが、終電帰宅も日常的にある限界社会人にはすごくあっているみたい。なんなら残業時間中に仕事しながら聴いていることもあった。

radikoで番組を聴くのもだし、Podcastもよく聴くようになった。わたしはフードエッセイストの平野紗季子さんが大好きなので、紗季子さんの「味な副音声~voice of food~」というラジオをよく聴いている。

まさにわたしは、「ラジオっていいね」の狙い通り、"新しいラジオリスナー"になってしまったのだ。

オートリバースを聴いたことで、わたしは”新しいラジオリスナー”になったうえに、HiHi Jetsへの気持ちも強くなって、より一層アイドルのことを思った応援の仕方をしようと考えることもできた。

正直、聴き始めたときはここまでハマるとは全然思っていなかった。ほかにももっともっとジャニーズ以外の番組もたくさん聴いてみたいなと思うようになった。

一般社団法人日本民間放送連盟ラジオ委員会さん、radikoさん、本当に素敵な企画を立ててくださってありがとうございます!1週間、めいっぱい楽しむことができました。

 

そして今日、12/20(日)は、radiko特設サイトでの「オートリバース」の配信が終了する日。

この1週間もradikoのタイムフリーを使って、オートリバースを定期的に聴いていたけど、やっぱりわたしは特設サイトでの配信内容がいちばん好きだったから、終わってしまうのはさみしい。

今日は、最後にまた「オートリバース」を聴いて、高階とチョクのこと、ヒメのこと今日子のこと、HiHi Jetsをはじめとした好きなアイドルのことや猪狩くん作間くんのこと、など、「オートリバース」を取り巻くいろいろなものに思いを馳せようと思う。

 

まだ聴いていない方は、ぜひここから聴いてほしい。

 

radiko.jp

 

「オートリバース」、ありがとうございました!

ラジオっていいね!!!!!!

 

P.S. 余談だが、なにわ男子のANNPを聴いていたときに、HiHi Jetsの「ラジオっていいね」のCMが流れて、みんなの声がすっごくよくてとってもわくわくした。HiHi Jetsにもラジオのお仕事がもっときたらいいな。優斗くんのらじらー!をリアルタイムで聴いていなかったので、またいつか優斗くんのラジオが聴きたい!